更新日2024.10.01 公開日2024.09.11
実家を相続したばかりの人で、現時点では住む予定がないというケースは意外に多いものです。
「住む予定はない。でも、将来もしかしたら住むことになるかも?」
「自分は住まないけれど、おじいちゃんと仲が良かったこどもが住むかも?」
「先祖代々の土地で売るわけにいかない。放置するのがベストだとは思わないけど……」
「実家に他人が住むことに抵抗がある」
「人に貸すのはめんどくさそうだし、周囲に経験者がいないのでためらう」
そんな気持ちで「なんとなく放置」「何もしない」という行動を取っている人も、少なくないように思います。
しかし、家は「生き物」。住まないままにしておくと、驚くほど速く劣化が進んでしまいます。 季節や物件の条件にもよりますが、湿気の多い夏場ですと、1ヶ月住まないだけで、本当に住めなくなってしまうケースもあることをご存じですか。
ここでは、移住・住みかえ支援機構(JTI)のマイホーム借上げ制度が、相続した家を長持ちさせるベストな方法のひとつであることについて、詳しく解説します。
国の基金によりバックアップされた「マイホーム借上げ制度」を運用する一般社団法人(営利を目的としない法人)です。
そもそも、「家が劣化する」とはどういうことなのでしょうか。ここでは代表的な劣化の例と、劣化の修繕にかかる費用を紹介します。
台所や風呂、冷暖房などの設備は、使用しないと急速に劣化が進みます。
親が長く住んでいた家の場合、多くの設備が使用期限超えになっている可能性があります。
不具合や故障なども起こりやすく、「いざ使おうと思ったら使えず、ガスは通っているのにお湯が出ない」といったことも。
●費用の目安
掃除をしないと溜まっていく、チリやほこり。これらをエサとして、家中に虫が繁殖します。
また、床下にシロアリが発生してしまった際にも、住んでいないため早期発見ができず、家の基礎部分に深刻なダメージが入ってしまうこともあります。
相続の時期や家の気密性によっては、1ヶ月相続した住まいに立ち入らないだけでも要注意。
近年の住宅は気密性が高いため、梅雨や夏場などの時期に通期をしないと、カビの温床となってしまいます。
特にカビが壁やお風呂等に大量発生してしまうと、健康に住める状態に戻すのにかなりの費用がかかってしまいます。
●費用の目安
意外に見落としやすくてよくあるのが、キッチンのコンロ。
特に魚焼きグリルには注意が必要です。水を抜き忘れてしまったことで周囲が錆びてしまい、コンロ全体が使えなくなってしまうことも少なくありません。
システムキッチンなどで設備が一体型になっていると、一部交換ができず、キッチンを丸ごと買い替えなければならなくなるケースもあります。
●費用の目安
家の劣化は、建物が物理的に痛むだけでなく、相続された方の心にも負担がかかるものです。
カビや虫が繁殖しており、設備も不具合だらけ。 もとどおりに戻すためには高額な費用がかかる……。
そんな家からは足も遠退きがち。「温かい幼少期の記憶」と現実とのギャップはどんどん広がっていきます。
家を適切に維持管理することは、建物を守るだけでなく、そこに詰まった思い出や絆を守ることにもつながります。
思い出の詰まった家だからこそ、「空き家」にならない状態を維持することが重要なのです。
<「リフォームの内容と価格について」 国土交通省 中古住宅・リフォームトータルプラン検討会資料 参照>
では、家をいかに「空き家状態」にしないでいるか。
実はここも、頭を悩ませるポイントです。
空き家の活用には、さまざまな方法があります。たとえば、以下のような例が考えられるでしょう。
しかし、実はどれも、以下のようなデメリットが生まれてしまうのです。
「思い出の詰まった家を維持したい」という方にとっては、そもそも上記のような活用方法は望ましくないといえるでしょう。
となると選択肢に上がってくるのが、賃貸。
しかし、入居者の募集や管理、家賃の回収、トラブル対応など、様々な手間がかかるほか、空室になってしまうリスクも、考えられますよね。
「やっぱり賃貸も、難しいのかも……」
そう思う方でも、大丈夫。
JTIの運用する「マイホーム借上げ制度」は、相続した空き家などをお持ちの方のために作られた、国の基金で支援される賃貸制度です。
マイホーム借上げ制度の特徴は、皆さまの家を、まずJTIに賃貸していただくこと。
このあとJTIが、物件の借り手(主に子育て世帯など)を探し、物件契約を結びます。
これにより、入居者とトラブルがあってもみなさんが直接関与する必要がなくなります。
また、家の直接の借主はJTIであるため、空室になっても、家賃は毎月支払いが保証されます。
なお、JTIの支払う家賃は、国の基金によって債務保証がなされています。このため、家を「第二の年金」のようなものとして活用できるようになるのです。
マイホーム借り上げ制度のメリットについて、3つ解説します。
一般的な賃貸の場合、入居者が退去して空き家になっている期間は、家賃収入が途絶えます。
地方や古い物件の場合、入居者を見つけるのに時間がかかることも少なくありません。
「マイホーム借上げ制度」では、空き家の期間でも家賃をお支払い。
毎月、安定した家賃収入が得られます。
一般的な賃貸契約の場合、「普通借家」という契約方法が取られることが一般的です。
普通借家の場合、賃貸期間が終わっても、入居者が契約を更新できる「更新権」が法律上認められています。
この結果、一度普通借家で契約を始めてしまうと、たとえ大家であっても、家に戻ることが思ったタイミングで実施できなくなってしまうのです。
マイホーム借上げ制度では、全ての契約は「定期借家」を採用。
契約期間が終われば、入居者に退去をお願いすることが可能です。
賃貸経験者の多くが悩みとして口にするのが、入居者とのトラブル対応です。
たとえば、以下のようなトラブルを完璧に防ぐのは、どれだけ審査をしても難しいといえるでしょう。
●一般の賃貸:トラブルは大家が対応&自己負担も大きい
一般の賃貸では、貸主の方々が、入居者との最終的な交渉をせねばなりません。
裁判になれば、弁護士などに依頼する費用は自己負担となります。
手続きに大変な労力がかかることはもちろん、修繕費などが発生した場合は、大きな赤字になるケースもゼロではありません。
●マイホーム借上げ制度:専門家が「形式的な大家」としてトラブル対応
マイホーム借上げ制度は、一度家を借りている=形式的な大家として、入居者トラブル対応については全て、JTIが対応します。
入居者トラブルは、交通事故と似たようなもの。ほとんどの方は平和に家を貸し出せますが、一定の確率で、どうしてもトラブルが発生してしまうのです。
全国で多数の借上げを実施しているJTIだからこそ、稀に起こる問題案件に十分な時間とコストをかけて対応することができるのです。
ただし、マイホーム借上げ制度にはデメリットもあります。あらかじめデメリットについて把握しておくことで、後悔のない空き家の活用を目指しましょう。
大きなデメリットは、毎月受け取れる家賃から、手数料が割り引かれてしまうことです。
一般的に、家を賃貸に出すと、事業者への管理手数料が発生します。
マイホーム借上げ制度を使って家を貸す場合、これに加えて、JTIへの手数料も発生します。
手数料は、管理手数料(5%) + JTIへの手数料(10%)で、15%程度。
たとえば、家賃が8万円の家であれば、毎月の手取りは手数料が差し引かれ、6万8,000円程度。
JTIへの手数料がなければ、毎月7万6,000円程度の収入となるため、無視できない差額です。
ただし、これらの手数料は「お守り代」のような役割も果たします。
前述したような、入居者とのトラブル対応、家賃滞納のリスク、空室期間中の収入損失などに直面した場合でも、時間やお金をかける必要がなくなるからです。
たんなる出費ではなく、ある種「保険料」のようなものとして考えてみることも検討してみてくださいね。
家を相続したときの空き家リスクについて、詳しく解説しました。
家を空き家のまま放置すると、取り返しのつかないレベルで傷んでしまうリスクもゼロではありません。愛着のある家だからこそ、誰かに住んでもらうことが重要なのです。
JTIは、マイホーム借上げ制度を通じて、皆様の家を活用するサポートを提供します。
相続した実家をどうすべきか迷っている方、賃貸に不安を感じている方は、まずは無料カウンセリングをお試しください。
経験豊富なスタッフが丁寧にご相談に乗り、家の状態や立地、ご家族の事情など、個々の状況に合わせて最適な運用活用方法を一緒に考えていきます。
相続した実家を放置せず、適切に管理し活用することは、建物の価値を維持するだけでなく、思い出の詰まった家を大切に守ることにもつながります。
JTIのマイホーム借上げ制度を活用して、あなたの大切な実家に新たな価値を見出してみませんか。